[武田信玄制作:2] Zbrushを使っての人体スカルプト / Part2

2019年1月12日

前回は顔周りのスカルプトを彫り進めていきましたが、今回もzbrush使っての人体スカルプトの続きを説明していきます。

今回はさらにボディパーツのスカルプトを仕上げていきましてローモデルへの変換作業を行いボリュームベースのハイモデルを完成させるところまで説明いたします。

現状の頭部は、さらに彫り進めまして↓の形状で落ち着かせました。

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- ボディパーツの作成 -

ボディも顔と同様に同じブラシで仕上げていきます。

作り方は、顔と同様です。
リファレンスは裸体を個人的に探すのはとても難しいので3dskから50代の人体画像をリファレンスににシルエットを作成していきます↓
https://www.3d.sk/

大まかな形状ができたら一度そのローメッシュをMAYAへGozをしてスケールと位置関係を調整します。
この工程は非常に重要で、スケールを間違えて作成してしまうと、後々の修正が大変になることが多いので
しっかり制作初期の段階であわせておくことをお勧めします。

信玄は162センチ 63キロだったらしいのでそれに近くなるようにMAYAのdistanceツールを使って身長をあわせておきます。↓

身長が決まったら作成したヘッドの位置関係をあわせてボディのスカルプトをさらに彫り進めていきます。

大まかなシルエットができた段階からシンメトリーモードは解除します。

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細かいシワ付けのコツとしてリファレンスのシワの付き方をみつつ、まずはスムースでならしてForm系のブラシで盛り上げながらシワに見せていく方法と、
アルファのskinブラシなどで付けられたシワをなぞりながらDum系のブラシでシワをなぞると自然にまとまることが多いです。
また、人体のシワはあまりシャープにみえる箇所は少ないので、一度sdivのmax数値で作業をするのではなく数段下げてシワをつけるのも効果的です。↓

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手のひらや、脚の先は個人的に作成していた手を合わせてボリュームとして利用します。↓

 

※余談ですが、スカルプトを始めた方で、キャラクターを作りたいけどうまくできないと思っている方は、自分の手を一度作ってみては?と助言することがあります。
今の時代、画像をみて制作することがほとんどだと思いますが、創造性が欠如するとうまくいかないのは当然で、自分の手をつくることは目の前に生のモチーフがあるという最高の練習素材だったりします。
私もデッサン力をつけたいと思っていたころは暇があったらよくスケッチブックに手を描いたりしていました。

決して手を作成したほうがいいというわけではなく、言いたいことは目の前にあるモチーフに勝るものはないということです。

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後はシルエットを調整しながらシワを中心に彫り進めましてボリュームのハイモデルを完成させます。↓

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- ローモデルへの変換作業 -

↑上記のようにボディスカルプトも大体完成したら作成してあるローメッシュのモデルをインポートしてmoveでボリュームスカルプトにあわせていきます。

手順としては

①UV展開をしてあるローモデルを用意して、ハイモデルの形状にmoveブラシで合わせていく。

②大まかにあわせたら一度ProjectAllをかけてローモデルをハイモデルに合わせる。

③あわせたローモデルをdevideして、sdiv数を数百万ポリゴン単位まで上げる。

④storeMTをかけてハイモデルへProjectAll。

⑤破綻した箇所をmorphブラシで修正する。

⑥修正した箇所を再度スカルプトする。

⑦MAYAへGozをしてUVのunfoldかけてzbrushへもどす。

という流れです。

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あわせるローモデルは凡用で使えるように人体解剖したスカルプトをベースにzbrushとMAYAで作成した物です。(UV込み)↓

上記の用意したローモデルをハイモデルにあわせていくのですが、注意することは大体であわせるのではなく、UVがしっかり合うように顔のパーツの位置、手の爪の位置などしっかり合わせることと、エッジがゆがまないようにMoveTopologycalであわせていきます。

形状が落ち着いたらProjectAllで頭部とボディのハイモデルへ投影させます。↓

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ローモデルにProjectAllをかけたらエッジのゆがみや破綻がないかチェックをし、devideを数百万ポリゴン単位まで上げて、頭部とボディのハイモデルへ再度ProjectAllをかけます。

ハイモデルへProjectAllをかけるときの注意として、眼球が入る箇所や、口元のあたりは破綻する箇所がおおいので、ProjectAllする前にstoreMTをかけて、ProjectAll後にmorphブラシで破綻箇所を修正していきます。

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最後に頭部とボディは別々に作成したので、首周りを調整するのと、ボリュームメッシュのスカルプトにローメッシュを合わせたら一度MAYAへローモデルをgozして、UVのunfoldをかけzbrushへもどしたらボリュームベースのモデルは完成です。↓

※ローモデルはMAYAデータとして必ず保存しておきます。

これでスカルプトをしたハイモデルをローモデルに変換することができました。

 

リファレンスとの整合性を確認して完成になります。
あとはmultiMapExporterからdisplacementMapを吐き出しておきます。

今週はここまでになります。

人体のスカルプトは本当に難しく、たとえば似顔絵を作ったりする場合は正解があるだけにミリ単位での調整も余儀なくされることが多いのと、今回のようにある程度創造で作成する場合は仮想高解像度のリファレンスが多いほど作業コストを短くすることもできます。

もちろんスキャンデータより良いものを作ることはできませんが、人体解剖など、骨格や筋肉の付き方を勉強しておくと、いろいろな有機体の生き物を作る際、ベースとして学んだことを生かすこともできると思います。

次回はMARIを使ってディテール用のdisplacementMapの作成をいたします。

読んでいただきましてありがとうございました!

[武田信玄制作:1] Zbrushを使っての人体スカルプト / Part1

2019年1月11日

まずは人体-頭部のスカルプトから彫り進めていきます。

大まかなスカルプトパートの手順としては

①スカルプトハイメッシュ素材作成
②リトポロジー
③uv展開
④戻し作業(ProjectAllをかけてUVを保持したハイメッシュモデル作成)

になります。

また、あらかじめUVを保持した凡用の人体ベースモデルを3Dツールで作成しておくこともとても良い手段です。
私は人型のキャラクターを作るときは昔から作ってあるベースモデルをgozしてそこから彫り進めたりしています。

※単純にデッサン力をつけたい!もっと勉強したい!と考える方はゼロから作ることをオススメします。

この作業はどんなスカルプト作業のフローにも有効ですのでスカルプトをつかったゲームモデルや映像制作でお仕事をしたいとおもってる方にとっては必要項目です。

では仮想信玄の頭部を彫り進めます。

ボリュームモデル作成まではzbrushを使います。武田信玄の顔の資料は昔の方が描いた挿絵でしか残ってないので、絵のイメージから少し肥えた50代くらいの男性を軽く撮影させてもらったのと、
武田信玄を演じた役者さんなどを参考に形状を考えていきます。

0からスカルプトをするときはお分かりの方も多いとは思いますが、下記写真のようにすすめていきます。
球体プリミティブから形状をmoveツールで変形させて大まかなシルエットを作成したら
少しずつ年齢層にあったボリュームをつけていきます。↓

スカルプトのコツとして作成時、ダイナメッシュを頻繁に使う方を見るのが多いですが、
使いすぎるとダイナメッシュの精度を上げてもどんどんメッシュのピクソルがボケていくので私の場合は極力1回か、必要でも2回程度に抑えています。
特に細部を彫り進めているときには使用は避けるほうがいいです。↓

また、ダイナメッシュをかけた後は必ずZremesherをつかってローモデルに落として、ProjectAllをかける作業を行ってください。
よく初心者の方のスカルプトを見るとダイナメッシをかけた後、sdivを持たせずポリゴン数が多いままでmoveツールをつかいボコボコした後が残ってしまっている方がいます。↓

(↑を見ると右側のmoveの処理では押し出した輪郭が見えてしまっているのがわかります。)

ローに落とす理由として、大きなシルエットの調整をするにはsdivをUp、Downさせて、大きく形を変える場合はsdiv値を落として変形させることが必要です。
細かい作業をするにつれてsdivを上げていけばスムーズに作業ができるというのが基本的な考え方です。

盛り上がりや、シワなどを付ける場合のブラシですが、
Move、 MoveTopopogical、 DamStandardを編集したCreaseブラシ、肌の質感用に作ったアルファの入ったブラシを何種類か、大きな凹凸をつけるときなどは壁のアルファなどもつかったりすることもあります。
Standardブラシや、Buildupブラシも使いますが、あまりそのまま使わず少し使いやすいブラシにカスタマイズして使っています。
※ブラシの設定、アルファの作り方などはまた以降説明できたらお話したいと思います。↓

上記のことを踏まえて私はいつもスカルプトを進めています。

現段階での彫り具合としては、皮膚の繊維質などまでは彫らない少し大きめのシワと細かい凹凸くらいまでのイメージで彫るのがベストです。

上記画像くらいまで彫り進んだら一度リトポロジーをしてUV情報を持たせたローメッシュを作成していきます。

次回はリトポ作業と、凡用のモデルに合わせるためのProjectAll作業、ボディまでの全体のボリュームベースのスカルプト作業を行ってまいります。

読んでいただきましてありがとうございました!

[武田信玄制作:0]  -冒頭あいさつ-

2019年1月3日

この度、インディゾーンさんのブログをお借りして、MARIを使ったキャラクターメイキングのページを開設させていただきました。
まだまだ未熟な故、説明など何分不慣れなところもございますが制作する上で大切にしていること等、私自身のフローを出来るだけ細かく説明できればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。

まずは、今回何を作るかという題材で私自身が甲冑を纏ったキャラクターを作るのが好きで、昨年から戦国武将の武田信玄の資料を集めたりロケハン等をしたりしておりましたところ
今回のお話をいたいただきまして、制作にMARIも使用するということでその過程を今回のブログでご紹介させていただくことになりました。
出来る限り隔週単位でブログはアップしてまいりますが、制作しながらブログも書くということからイレギュラーな事で制作がとまってしまう可能性もあります。
そのため、都合叶わない週もありますので何卒ご容赦ください。

使用するソフトはまだ予定ですが、
◆MAYA
◆zbrush
◆MUDBOX
◆MARI
◆Marvlous Designer

をメインに
ピンポイントで、Photoshop、QuixelSUITE を使っていきたいと思っております。(hairツールはまだ未定です)

レンダリングはVrayで行います。

今回沢山のソフトを使用するように思われてしまいますが、ここのパートではこのソフトで!といった風にすべてのソフトを限界まで使うということではありませんし、
これからキャラクターを作ろうと思っている方は、MAYA zbrush MARI Photoshopだけでも十分作成はできます。
テクスチャーの精度や、作業コスト、ショットにもある程度耐えられるものを作るという意味で今回のような環境になりました。

また、テクスチャーに関しましては、今回MARIを中心に制作をしてまいります。
日本ではまだPhotoshopで落とし込む作業が主体になっていることも多いのは事実ですが、これから先を考えるとテクスチャーはすべてMARIで描いていくほうがよいと考えています。
特に映像用の高解像度なテクスチャーを作成する上ではとてもよい効果を発揮しますし、数多くのUDIMを処理するにはMARIが一番私には合っていると思っております。
MARIに関します記述は、快適に使用する上での推奨環境等、また後日解説していきます。

では早速制作に関する内容を書いていきますが、その前に、
まず制作に入る上で最も大切なことは、デザイン画やモチーフに対してできる限り制度の高いリファレンスを用意するという事です。

仕事や個人制作等でこれを作りたい、あれを作ってほしい、という状況になったとして、時間が許すならまずはしっかり資料を集めるということです。
今はネットからなんでも調べられて豊富な素材も落ちている時代です。
コンセプト等を考えるときに資料を集めて描き起こすといった作業ではとても重要なことではありますが、それを実際に作るという場合にそのデザイン画だけをみて立体を作ることに
どうしても思考的な限界があるので、キャラクターそのものの質感や、きている衣装などがある場合は指定した質感の資料をロケハン等で探すのは大切だと思います。
あとは、リアルなものを作る時に、CGのリファレンスをみてCGは作らないということです。
アナログで絵を描くときなどもそうですが極力、モチーフに対して身近に存在するものがあるのならば、実物をみて研究することが一番だと思います。

今回戦国武将を作るにあたって必要なものは、実在はしていましたが過去の人であるという事で人物の資料が挿絵でしか存在しない事と、甲冑等の衣装の素材を見つけなければいけませんでした。

甲冑に関しては鎧を専門に扱っている衣装屋さんからもっとも本物に近い鎧をリース、撮影をさせもらってそれぞれに必要な素材を高解像度で用意しました。
人物に関しては今は色々なサイトからスキャンデータ等、人物素材を購入する事もできますが、せっかくブログを書かせていただくので0から掘り起こしていくことに決めました。

写真は今回用意した素材の一部です。
実在していたからには生い立ちを知ることも大切な事であると思っています。
信玄は53歳でなくなっているのですが、参考の甲冑が晩年のころのものということで50歳前後くらいの年齢層で制作していきます。

ではまずは内側からということで人体のスカルプトをしていきたいと思います。
最初は一番大切な顔のスカルプトからはじめてまいります。

謹賀新年2019

新年あけましておめでとうございます。

2018年も元旦までお仕事をしてようやく新年を迎えた感じですが、今年も精いっぱいお仕事をして作品を作ってまいりたいと思っております。

ブログの方もことしは精力的にアップしていこうと思います!

 

本年度も何卒よろしくお願い申し上げます!